新型コロナウイルス感染症の影響により、大きな打撃を受けた宿泊業界。本来稼ぎ時である年末年始やゴールデンウィークなどにも人の移動が制限され、大手のホテルや老舗旅館なども苦境に立たされている状態が続いています。
ホテル経営者としては、ワクチンの頒布や感染症の鎮静を、指をくわえて待っているわけにはいきません。相変わらず苦しい状況は続いていますが、なんらかの手を考える必要があるでしょう。
人の移動に制限があり多くの集客を望めない状況とは言え、よほど人里離れた場所にある宿泊施設でなければ、多少なり近隣住民の利用があるかと思います。その中には、ビジネス利用者だけでなく、観光や、日常から離れた時間を過ごすことを目的とした利用者もいるでしょう。
宿泊施設の役割は、たんなる寝食の場としてだけではありません。いつもと違う環境で味わう時間や体験こそが、宿泊施設を利用する醍醐味であるとも言えます。そのような宿泊施設の特性を活かし、収益力を高めることに繋げている例もあります。そのわかりやすい例が、最近増えているコンセプトホテルです。
コンセプトホテルはその名の通り、ホテル全体、もしくは部屋ごとにコンセプトを決め、そのコンセプトに則って内装や設備などを決定しています。より非日常を味わえる演出や空間づくりをすることで、宿泊することそのものが利用客にとって「体験」となり、利用価値が高まります。有名なコンセプトホテルには、そのホテルへの宿泊自体を目的とした利用客が集まることもあります。
コンセプトホテルには様々なものがあります。アート作品をホテル内や部屋の中に飾ったり、アーティストが内装のデザインをした「アートホテル」などが代表例です。そのほか、ゴージャスな天蓋付きのベッドを設置し、まるで物語の中のお姫様の部屋のように演出したホテルなども人気を集めています。個人宅では実現できない空間を実現できるのは、宿泊施設ならではと言えるでしょう。
旅の停泊所としてだけでなく、宿泊施設が旅の目的地となる。そんな空間づくりをすることで、宿泊施設の一室の価値を従来より高めることができます。多くの集客が望めない今だからこそ、このような思い切ったアプローチが有効である場面も多いでしょう。
上記でも少し触れましたが、コンセプトホテルを作る際は、いかに「利用者が個人では実現が難しい空間づくり」をするかが重要です。有名なアーティストに接触を図ったり、本格的な天蓋付きベッドを設置したりするなど、利用者にとって価値の高い空間づくりを意識すると良いでしょう。
感染症の流行があとどれくらいで沈静化するのかといった見通しは、専門家でもはっきりと断言はできない状況です。以前のように気兼ねなく観光やビジネスで人が行き来できる日が戻ってくることを願いつつ、今できる対策を講じていくことが、宿泊業界において生き残っていく鍵ではないでしょうか。
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